山手線が加速器に。

衝撃的なタイトルに惹かれて購入。

柞刈湯葉チックな、近未来SF。科学的専門知識がふんだんにちりばめられ、果たしてちゃんと理解できたかどうか。

短編集ですが、「同じ世界」が舞台となっているので、こっちの話に、あっちに出てきた話が出てきたり、とかの仕掛けあり。

最近のSFの筆致って、なんか昔と違うよなぁと思っていたところに、正統派とも言うべき古典のフェアをやっていたので、思わず買ってしまった本は次に読もう。

 

通達・謁見

これだから読書はやめられない。

この間読了した川添愛さんの本で紹介されていたのが、これ。

言葉が多義性をもたず、一つの単語が一つの意味しか持たなかったら?の世界を描いた不条理戯曲。

 

のちにチェコの大統領になった人物というからびっくり。こうして、このような作品が日本語で、しかも図書館で借りることができるなんて本当に素晴らしい(1960-70年代の作品だけど、この本はなんと2021年。ピカピカにきれいな本でした)。

 

ぜひ、劇場で上演されているのが見たい!!

 

川添愛の本

自分の薄汚い性分の一つが「自分だけのものと思っているものを人に取られたくない」という心理で、そういうときは嫉妬に狂いそうになります。

 

そんな訳で、私は言語学とかの一般書はなるべく読みたくないのです。自分だけが(実際には「だけ」ってことは勿論ないですが)知ってたことが皆に知られてしまうのが悔しい!!なので、大好きな川添愛さんが言葉に関して一般書を書いていると知ってもあえて読まないようにしていました。

ところが、この間見かけたとき、カバーが巻き替えられていて、この本だと気づかず、他の本含めふつうの本屋で言語学フェアなんてやっていたもんだからテンション上がってうっかり買ってしまいました。

まさに、私が大学で研究対象にしていたような「言葉の誤解」がテーマで、だけど、読んでて悔しくならなかったです。ふつうに楽しく読みました。

 

と思っていたら、川添愛さんとふかわりょうが日本語について対談してる本なんてものを見つけてしまい、それは買うかどうしようか、悩むところです。

 

 

 

先生、あのね

前から存在は知っていたけれど、感動的な内容なのかと、敬遠していたら、一年生の文章力に爆笑の連続。きれいなのもあります。けれど、私が本屋で開いたらどうしても、「ザ・男子」のものばかり。 

すぐに読み終わっちゃうコレに1500円も出すのはなぁ、と躊躇したけれど、買ってよかった。

詩集を文字が少ないから価値ない、なんて言う人いないものね。著者の先生がこれまで受け持った一年生たちの「先生、あのね」がぎゅっと詰まってて、絶対にお気に入りの一つが見つかります。

 

明石出身の会社の先輩が、「先生あのね、と業務連絡の中間みたいなお礼」を入学祝いをあげた甥っこからもらったと言うので、む、と反応。

なんと、「先生あのね、」ってこの先生だけの活動じゃないのね!

他の大阪出身の先輩も、やってた!!とお二人はめちゃめちゃ盛り上がっていました。

「書きにくい人は、せんせい、あのな、でもいい」と教えてもらいました。そう、そこはすごく気になるところでした。本を読んでいても、関西弁のところと標準語と混じっていて、一年生が標準語で書くのは、実際に「せんせい、あのな」と話すのとは違うよそ行きの文になっちゃうんじゃないかな、と。

 

そこのところ、もう少し二人に聞きたかったけれど時間切れ。

この本は、二人の先輩に貸して、もう一人の先輩に「気になってたから私も買う!」と言わせたので、1500円払った私も大満足。

皆が気になるのは、元はこの書影のように、黄色いカバーがかかっていたのに、ピンクの二重カバーがかかっていること。

黄色よりピンクの方が売れる、と判断したのかな。まぁ、確かに私も黄色の印象は薄くて「ピンクのあの本」と思って買ったのですが。

 

 

チェス入門

私が人生で一番出会いに感謝している「ボビー・フイッシャーのチェス入門」の訳者による、チェスの定跡をたくさん紹介している本。

まさかこれが、駅前に新しくできた小~中規模書店で見つかるとは!迷わず買い。

 

「姉妹編」というだけあって、似たようなテンションなのは、そもそもボビーフイッシャーの翻訳の文体が翻訳者の個性によるものだったのか…?という気になるくらい、独特。昭和のユーモアとも言えるのか。

定跡の前に駒の進め方から始まって「手筋」の紹介。私はここまでで精一杯。

定跡は、実際に盤面に駒を並べながら理解するのがいいのだろうか。

将棋の定石もだけど、これ、相手の動きも「乗って」くれるものなの?というのが毎度の疑問。相手がどう動かすか、も決まっちゃうものなのかしら。

 

有隣堂伊勢佐木町本店にて

半年に一回の医者のあとに寄(り散財す)るのが何よりの楽しみになってきました。

 

今日は、ラテン語さんの本に触発されて、ラテン語の本が欲しかったけれど、なんと一冊もなし。残念!

 

代わりに、こんなびっくりな本を買いました。 

どうしてダンジョン飯を英語で語る必要があるのかと。特典つきだったので中が見られなかったけれど、これはまぁ買うしかないよなぁ、ということで買いました。

あと、ここで小中学校の教科書も一部売っていることを知りました。なんと!!だけど、私が買ったのは高校の。とはいえ、世界史探求はこういうところでしか買えないのかな。ちなみに、先日英訳版を買ってます。これは正直、日本語版だけあればよかったが。いやいや!!中国語の英語表記とか知れるからいいんだって!

あと、地図帳。結局、統計も資料もこれが一番使いやすい。

 

 

手にとって、かごにまで入れたけど、結局買わなかった本。

復刻版てところにものすごく惹かれたけど、結局読めないだろうなぁ、、、と、、、。無念!

 

 

めちゃくちゃわかるよ!印象派

打ち合わせがあり、早く着きすぎた書店のカフェの手前は、普段は絶対行かない美術書コーナー。

そこで出会ったこの本。人生五本の指に入る名著!!本屋でパラッとめくったらアララララな絵のページがくっきり開きやすい。みんなここ立ち読みしてるのか(笑)。と、びっくりするようなこのページはあるけれど、「オトナの」というカタカナで期待する人がいたら、そういう方向に特化した本では全くなく、ちゃんと印象派について、どんな解説書よりもわかりやすく、記憶に残りやすく書いてある。

ただ、そんな絵とかもあるので、リアルで身近な人には勧めづらい。おもしろさの感動のお裾分けという意味では子供に勧めたいけど、変態性癖の話とかも出てくるので、さすがに無理(笑)。 

 

印象派の画家の人生と、絵の意味や技法の説明などしてくれるその話術は軽やかでわかりやすい。私は思考を無理矢理ねじ曲げられる、対話形式の本が嫌いなのだけど、アシスタントの合いの手は合いの手以上の何者でもないので、行間が空いて見やすい、という素晴らしい効果も相まって読みやすい。

 

印象派やその画家について詳しくなった、というより、美術作品の鑑賞の仕方を教えてもらえたように思います。すっかり山田五郎のファンになりました。