カレー移民の謎

確か新聞の書評で紹介されていて、気になっていたところ、敬愛する高野秀行さん絶賛!と書かれている広告を見たら買わずにはいられない。

前半は、乱立する「インネパ」のルーツをたどる話で、固有名詞がたくさん出てきて、そこまで面白い訳でもないけれど、後半、「カレー屋の子供」の抱える問題、日本の移民政策のやりきれなさ、などは毎日カレー屋の前を通り、おそらくカレー屋の子が保育園に入れ替わり立ち替わり入ってくるのを見ているだけに、身近でありながら全然知らない問題に目を向けることができて、興味深かったです。

 

ネパールの中でも、皆口を揃えて同じ地域から来たと言うとあるので、高野さんのお勧めなんだし現地行くぐらいしてほしい、と思っていたら、ちゃんと最終章で行ってくれていました。嬉しい。バグルンという、ネパールの中でもさらに山奥にある地域。先ほどグーグルマップで見たら、本当に息を飲むような美しい景観に驚きました。こんな遠くの地からはるばる日本まで…。けれど、外国人が定住するのに日本ほど難しい国もなく、労働市場としての魅力にも陰りが、、、というのを読むと、外国で、悪い思いをせずに暮らした経験がある身としては本当にもやもやします。

 

近所のカレー屋がインド人でなくネパール人がやってる、って気づいたときは「なんで!?」と思いましたが、この本を読めばそれが分かります。