日本の国宝、最初はこんな色だった

日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)

日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)

前に買って、ようやく読了。
さまざまな国宝のデジタル復元の様子と、そこからわかることを論じた本。
美術論は受験生の頃から超苦手ジャンルでしたが、こうして新書レベルで一冊通して読めば、
著者の言いたいことが少しは分かります。


復元のびっくり度で言えば、私にとっては最初の東大寺大仏殿の様子がダントツに一番でした。
今保存されている実際の仏像や寺を見ると、
「ああ昔の人はこのひなびた色合いを好んだんだなぁ」
とか考えてしまいますが、元々は超原色祭り。超ヴィヴィッドカラー。そしてそこにきんきらきん。
別にもともとひなびた色だったわけではありません。
やっぱり昔の人もきれいな色がついているのが好きだったのでしょう。
そう古代の人に思いを馳せると、
はぁー、また仏像に対する憧れが増してきました。


今残っているかすかな彩色から自分の想像力でなんとか当初の姿を想像してみようとするけれど、
そもそもの想像力や色彩力に乏しい私にそんなことはできるはずもありません。
デジタル復元の力を借りて、最初の色合いがわかると、ますます仏像に興味がわいてきます。


歴史や美術に興味がなくても、いやむしろそういったものは古びてて面白くない
と考える人ほどこの本はおすすめです。