自閉症だったわたしへ

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)


読了。
それが原因で自閉症になったという訳ではないにしても、幼少期の家庭環境の悲惨さが際立っています。
そしてその頃の著者自身の行動もいたたまれない。


自閉症という病気について私は詳しくないけれど、
2歳くらいの自分のことについて後々にこんな風に他人にもわかるように
書けるなんてすごい、とただただ驚いてしまいました。


大きくなるにつれて家族のことが全然話題に出て来ず、
また彼女が「普通」に近づいていくのも流れるように書かれているので
まるで普通の成長記のように読んでしまいました。
もっとちゃんと「ここの時点での感じ方は以前だったらこうじゃなかったはずだ」
と読み取って、どうしてそういう変化が起こったのか、
というところを丁寧に読むべきだった気がします。


気になるのは、「自閉症患者の症状」としていろいろあったけれど、
果たしてそんなみんなにあてはまるものなのかいな、ということ。
とは言え、少しはこの病気について少しは理解できたと思いたいです。


続編も2と3とあるようです。
ちなみに、とってもすらすら読める翻訳です。
翻訳ものであるのを忘れるくらい。