ロシア語のかたち

この白水社の「かたち」シリーズは、アラビア語のを持っていて、それがすごくよかったのだけれど、今はどうもこのシリーズ品薄っぽい。ひょんなきっかけから、このシリーズのことを思い出し、そして、黒田龍之助先生の別のエッセイが最高に面白かったので、何とかこの「ロシア語」のを取り寄せ。


そしてこの本も最高にいい本でした。文字を読むだけで一冊費やす、ってのがまずすごい。そして、ほんとに徹底して読めない読者の視点にずっと立ってくれている。これは、教える側にいる人には本当に難しいこと。


とにかく、語り口が本当に好きです。軽妙で。頭にスラスラ入ってくるので、結構、ロシア語読めるようになった気になれます。


今の時代の楽しみ方としては、グーグル翻訳を使って、単語をスキャンして、読み上げてもらうと、発音がすぐに分かる。この学習方法は、もちろん自分が学生時代にはできなかったことだけれど、今はこんな勉強方法ができるのか、と感激。楽しい。(もちろん、グーグル翻訳で、単語の意味が分かってしまうけれど、それはご愛嬌。)


何とか、短期間で読み切ったので、頭に残ったまま最後まで行けたのも満足感あり。積ん読だらけなので、たとえそれが薄い本でも読み切ったことも嬉しい。


で、肝心のロシア語の文字。Haみたいに書いてあるのに、「ナ」って読む衝撃とか、Tの筆記体がmみたいになっちゃうとか、頭を柔軟にするいい練習になる。でも結構借入語が多いのか、ゲルマン系やラテン系の言語の知識が役立つ。何階とかの「階」がЭтажで「エタージュ」みたいな発音のようたけど、仏語のétageと意味も同じだし、発音もそれだけぼーっと聞いたら仏語との違いがあまり分からない。面白い。言葉はほんとに面白い。だから早く、意味分からない戦争仕掛けるなんて、ほんとにやめてほしい。純粋に楽しく言葉と戯れたい。