マスクを少し好きになる本

本屋で面陳されているのを何回も見ていると、毎回ほしくてほしくてたまらない気持ちになる。ということで、買ってしまった。マスク嫌いなのに。

そしたら、超おもしろかったです。この著者はジョブズの伝記作家でもあるそうですが、文章力も取材力も素晴らしいのだと思います。

伝記は、時系列に事実が淡々と語られる無味乾燥なイメージがあったのですが、時には行きつ戻りつしながら、生き生きとした物語になっていて、読み物としておもしろい。

とは言え、どんな素晴らしい伝記作家であっても、「平凡な」人間の人生を「盛る」のにも限界があるでしょうから、やはりこの面白さはマスクの人生そのものの面白さなんだと思います。

上巻の方が、「火星に住むぞ!」「かっこいい電気自動車作るぞ!」というビジョンがイキイキとしていて、冒険譚という感じ。とてもマスクのもとでは働けませんが、彼の思想や生い立ちを知ったら、ちょっと好きになった気がします。

下巻は、2023年に、2023年に起きた出来事まで含まれる翻訳本が出る、という驚異が一番の見所(世界同時発売らしいからどうやって翻訳したのか!?それこそ、AIじゃない?という気にもなりますが、洗練された日本語でした)で、あとは、ツイッター買収の「裏側」がメイン。

なぜツイッターを買収したかったか、はよく分かりましたが、本文にも、彼がツイッターを技術の会社と見ていたが、実はそうではない(←肝心のところを覚えていませんが、本は早々に先輩に貸してしまったので正しい記述が確認できず)、という内容があり、ほんとにその通りで、「独裁」傾向のある人に、ツイッター経営は不向きだと言うことを改めて思いました。

ところで、「シュラバ」とカタカナで表記されている、24時間働いてでも、短期間で目標達成させるような仕事の山場、いったい英語は何だったのかな。

昨日ふと、ようやく「シュラバ」が終わった、、、と自分の仕事に対して思ったもので。