イラク水滸伝

なぜか、リンクが電子書籍になってしまいましたが、高野秀行さんの最新作。この表紙の写真一枚にたどりつくまでのすべてが詰め込まれた500ページ弱。500ページもあったとは思えないくらいの速度で読めました。自分でもびっくり。そういう意味でも満足感が。

この本は、貴重な湿地帯の記録になること間違いなし。ありきたりですが、本家の水滸伝を読んでみたくなる。 

 

それより前からちびちび読んでいたイスラム文化に関する本と平行して読んでいたらだんだんどっちに書いてあったことか分からなくなるときもありましたが、こっちもようやく読了。

てっきりイスラム文化の専門家なのだと思っていたら「○○ものしり辞典」はいろんな文化圏のものがあると知る。

 

 

 

 

百花繚乱のこども向け図鑑

子供の図鑑市場は今かなりの市場規模らしいです。各社かなり力を入れているようですが、だんだん「図鑑」ぽくない狭い範囲の、「それ、図鑑でなくてもいいのでは?」というものも続々と現れています。

 

最初は「危険生物」を見たときに驚きましたが、これは多分もはや定番で、各社出しています。あと、「イモムシとケムシ」は発刊されたとき、子供の図鑑の域を越えている、と話題でした。

 

「美術」というのもインパクトがあって、長男にほしいとねだられましたが、のらりくらりかわしてしまいました。美術に疎いので、ほんとは自分も欲しいのですが。でも買ってもどちらも読まないような気がして、手が出ない。

 

で、講談社MOVEのこの二冊は長男がちゃんと見そうなので、買ってしまいました。でも、これ、図鑑の立派な判型・用紙・装丁・製本である必要なくて、普通の本でいいのでは?と思うけれど、図鑑にした方が売れるのかもしれない、今は。

 

世界遺産の方は、個人的には、日本の世界遺産はもっとページ少なくてよいから世界のをもっと載せてほしい。というか、日本の世界遺産て、このでかい図鑑の写真で見ても、海外のがよりすぐりのだからか、それらと比較すると、しょぼいというか、すごさがない、というか…これを見たい、と思って外国から来てくれる人が想像つかない、というか…。「世界がっかり遺産」とか言われないとよいのですが…。

 

 

 

かみなり

本屋の夏休み特集コーナーにずっとあって気になっていたけれど、ついに次男(ものはなんでもいいからとにかくなんか買ってもらいたい)が見た瞬間に「これ買って!」と言うので、気が変わらないうちにレジへ。

 

これがすごい。すごいんです、写真が。こんな様々な雷が世の中にあるなんて知りませんでした。これらを写真に収めていることが本当にすごい。圧巻です。この写真だけで、十分写真展が開けそうなのに、写真展一人分の金額で、ご自宅で何人も何回も見られるなんてほんとに貴重。

 

雷の発生メカニズムは何回も聞いて、何回も科学館で実験を見ているはずなのに、全然理解できませんが、そのメカニズムもさらっと書いてある。

果たして未就学児がそれを理解できるのか分かりませんが、私よりはきっと頭に残ることでしょう。

 

 

 

思春期の子供の親になりかける

購読しているコーチングの先生のメルマガで紹介されていた本。

子がいよいよ思春期に入った友人の姿を見て、意を決してこの本を買いました。

大学生の頃、自分は育児書は買いたくない、そんなのに縛られた育児なんてしたくない、と強く思っていたものでした。が、実際に生まれると、育児書らしきものや、子育てアドバイスを自分から求めてしまうこともしばしば。でも、そうはしたくない自分との葛藤です。

小さい子どもの気持ちは自分を振り返ってももはやよく分かりませんが、思春期の子の声は、当時の自分を思い返せばよくわかります。そして、当たり前ですが、イヤだなと思ってたことが、本に出てくる子たちもいやがっていることで、だけど、親となった今は、そのいやがるセリフをすぐに言ってしまう自分がいることに向き合わねばならず、予想していた通り、傷なしには読めない本でした。

 

  • 子供の人格や感じたこと、経験したことを否定しない
  • 怒りを感じたときは、見たこと、感じたこと、何をしてほしいかを言う。

 

怒りの爆発が抑えられない自分にとっては二点目が特に大事。一点目も、とかく理屈で子を説得しようとすると、否定しがちになるので、気をつけねばならない。理屈でねじ伏せることが目的になってはいけない。

 

最初の方は、国が変わっても同じなのね、と思って読んだけれど、最後の方のデートや、性の話題は、だいぶ日本とは事情が違っていて、アメリカはこんなんなのか!と驚いたけれど、1972年の本ということで、そこからはだいぶ変わったのだろう。でも中絶の問題を見れば50年経っても保守派はまだ保守派のままだと言うことが分かる。

 

果たして、この本の「新しい方法」を私は子に対して応用することができるのだろうか…。

 

 

世界の言語の文法規則を我が手に。

今は無きツイッターで見かけて面白そうだと思いつつ買っていなかった本。

言語好き集団で本屋に行った際にやっていた言語学フェアで見かけたので、買いました。

 

言語学オリンピックなるものがどのようなものか知らないのですが、この本は、実例から規則性を見つける、という、初めて出会った未知の言語を解読する楽しみを凝縮した本。

 

私が英語が好きなのはコミュニケーションするためではなく、構文が理解できたときのパズルが解けた!のような感覚なので、そんな私にこの本はツボすぎる。

 

もったいないのでちょっとずつ読もうと思います。

 

異世界言語マンガ

言語が大好きな人の集いで本屋にぞろぞろ行ったら、「言語学フェア」が開かれており、いい感じの本がいっぱい!学術的な本もあれば、一般向けの本も。あれもある!これもある!と大興奮。

 

その中で異彩を放っていたのがこのマンガ。思わず手に取ったところ、私が尊敬してやまない先輩に「それ、面白いですよ。持ってます。言語が好きな人にはおすすめです」と言われたので、もちろん買います。

 

モンスターたちの言語解読とストーリーとキャラクターが素敵。楽しい。もう5巻まで出ているようで、1巻が読み終わってしまっても、まだ読める!というのが嬉しい。

 

ただ、カタカナのタイトルがどうしても覚えられない。

 

高野秀行さんの語学エッセイ

私が高野秀行さんのエッセイに出会ったのは、アルクの(当時は)月刊「日本語」だったので、私からすると待望の、語学がテーマのエッセイ。

あのアルクのエッセイも書籍にならないものか、ともうずっと長年待ちこがれていたけれど、きっとこの本に集約されていることでしょう。

 

国語学習がいちいちエンターテイメントになっているのがすごい。

そして、ワ語など、聞いたこともなかった言語も登場。まさに辺境ライター。そして、「挨拶ことば」のない言語の存在に驚く。

 

こんなにたくさんの細分化された言語があるとなると、果たして「○○語」とは何だろう、と思ってしまう。私が話しているのも、たまたま私の周りの人に通じてるだけの、なんかよくわからない言葉なのかもしれない。200人しか話者がいないような言語のルールであってもみんな自然に「正しい」ルールを身につけるのであろう不思議さ。

私が今適当に新しい言語を作りだそうとしたら、それは誰かに伝わるんだろうか、とかなんだか、昔言語について抱いていた不思議にいろいろ思いを馳せる。

 

そうそう、この本はサイン本ゲットだぜ!だったんでした。ふふふ。