鼻行類

息子が、国語の文章題の中で言及されてたこの本が気になる、と言う。

そんな風に勉強の中で出会った本に興味持つなんて何よりの宝。もうそれだけで十分。本当に素晴らしい。

さすがにいきなり買うのは気が引けたので、図書館で予約しようと思ったらなんと近所の小さな図書館にさえあるらしい。びっくり。

ところが、図書館に行って探しても見つからない。それで、司書さんに聞いて見たら「別の目で探してみますね」と探しに行ってくれました。なんと小粋な言い方でしょう。

去年、市内でも数カ所しか配置されていない調べものコーナーの司書さんがこの図書館にも配置される、といううれしいことがあったにもかかわらず、今まで訪ねることはなかったのですが、今日、ついにお話できた訳です。しかも「なんか、実在しない生き物についての本ですよね」と言い残して探す旅に出た後ろ姿にさすが、と一人で感動しておりました。

結局、返却されてまだラックに残ってて棚に並べてないところだったために私は見つけられなかったと分かりましたが、こんな不思議な本、他に借りていた人がいたのか!同じ文章読んで興味もった子が他にもいたのかしら。

で、思ったより薄っぺらいこの本、序論から大真面目にほら吹きで、大変素晴らしい。ぜひ手元においておきたいので、もう少し読んで面白いままだったら買おうかなぁ。

鉄道とししゅう

秋葉原に用があって行って、初めて書泉が秋葉原最寄りだと知りました。ずっと神保町だと思いこんでいました。ということで、鉄道好きの長男を初めてこの「聖地」に連れて行きました。

時代の流れか、書棚にずらりと並ぶのは各社の鉄道グッズでしたが、余所ではなかなか手に入らないマニアックな本もちゃんとありました。

今日は子供たちが「仕事」をして、図書カードをもらったので、自分たちの「稼ぎ」で金額内のグッズを買うことができました。

私は、この刺繍の本にひとめぼれ。正直、図案写しから始まるこの細かい作業を自分が完遂できる自信もありませんが、今日の「仕事」のために買った無地の服は、刺繍するのにぴったりすぎるので、やるしかありません…。

 

翔んで埼玉アンソロジー

セブンイレブンでうっかり見つけてしまった。

「翔んで埼玉」のアンソロジーというすごい漫画。18人の漫画家が、翔んで埼玉を元に独特のストーリーを展開。高橋留美子もいるし、魔夜峰央の娘もいる、という豪華さ。

「検閲」する前に息子に渡してしまったけれど、むしろ全然意味分からなかっただろうな…。シュールすぎる。

ちなみに、この週末は新しくオープンした書店で、小説版の翔んで埼玉を見つけてしまい、1も2も購入。小説だから「学校で翔んで埼玉が読める!!」と長男大喜び。そうか、小説版てそういう需要があるのか…。

いったい、私は翔んで埼玉にどれだけ貢いでいるのか…。ただ、2は、次男がぐずって途中で出てきてしまったので最後まで見てない。見たい…。

 

いらぶ!

17年ぶりの「伊良部先生」の新作。よく見ればいつも表紙にいる天使ちゃんがマスクを持っている通り、コロナをテーマにしたお話が二つ。緊急事態宣言とか、もうそういう言葉が懐かしく、遠くに感じる。そういう意味で、その時代の記録としてすごく貴重な作品になったとも言える。

そのほかの話題も今っぽかったです。

 

一時期、伊良部先生の話と相性合わなくなった自分がいた気がしますが、久しぶりの再会は最高でした。スカッとしました。合わなかったと思った頃の作品も読み返そうかなぁ。

小説(物語)を最近全然読んでいなかったので、久しぶりに「お話」が読めてよかったです。やはり小説は楽しい。

 

行動経済学を垣間見る

これはおもしろい本でした。原著を教材に使えそう。

この秋に店をたたんでしまった近所の本屋で平積みされていて出会った本。

こういう出会いこそ、本屋の醍醐味。そういうノスタルジーとともに、この本を記憶にとどめておきたい。

人間は必ずしも合理的に動かないことを数々の実験を通して明らかにしています。思いつく実験と、まんまと予想通りの行動を取ってしまうアメリカの優秀な大学生の姿に笑ってしまいますが、それが実は自分の姿でもある訳です。

 

 

マスクを少し好きになる本

本屋で面陳されているのを何回も見ていると、毎回ほしくてほしくてたまらない気持ちになる。ということで、買ってしまった。マスク嫌いなのに。

そしたら、超おもしろかったです。この著者はジョブズの伝記作家でもあるそうですが、文章力も取材力も素晴らしいのだと思います。

伝記は、時系列に事実が淡々と語られる無味乾燥なイメージがあったのですが、時には行きつ戻りつしながら、生き生きとした物語になっていて、読み物としておもしろい。

とは言え、どんな素晴らしい伝記作家であっても、「平凡な」人間の人生を「盛る」のにも限界があるでしょうから、やはりこの面白さはマスクの人生そのものの面白さなんだと思います。

上巻の方が、「火星に住むぞ!」「かっこいい電気自動車作るぞ!」というビジョンがイキイキとしていて、冒険譚という感じ。とてもマスクのもとでは働けませんが、彼の思想や生い立ちを知ったら、ちょっと好きになった気がします。

下巻は、2023年に、2023年に起きた出来事まで含まれる翻訳本が出る、という驚異が一番の見所(世界同時発売らしいからどうやって翻訳したのか!?それこそ、AIじゃない?という気にもなりますが、洗練された日本語でした)で、あとは、ツイッター買収の「裏側」がメイン。

なぜツイッターを買収したかったか、はよく分かりましたが、本文にも、彼がツイッターを技術の会社と見ていたが、実はそうではない(←肝心のところを覚えていませんが、本は早々に先輩に貸してしまったので正しい記述が確認できず)、という内容があり、ほんとにその通りで、「独裁」傾向のある人に、ツイッター経営は不向きだと言うことを改めて思いました。

ところで、「シュラバ」とカタカナで表記されている、24時間働いてでも、短期間で目標達成させるような仕事の山場、いったい英語は何だったのかな。

昨日ふと、ようやく「シュラバ」が終わった、、、と自分の仕事に対して思ったもので。

 

ふわふわとちくちく

長男は、それこそ、三つ子の魂百まで、で年少の言葉を操り始めた頃からずっと、言葉が強すぎるてトラブルになった、というので先生から何度電話を受けたかわかりません。

「言ってることは間違ってない、ただ、言い方というのがある」と何回言っても「正しいことを言って何が悪いのか」とピンとこないし、どう直したらいいのか、本人はわからない。 

何年もこの問題を抱えていますが、最近、そんな彼にぴったりの本を見つけました。プチ恩師の斎藤孝先生の本。新聞広告で見たのは「えほん」のほうでしたが、本屋にはそっちがなくて、「図鑑」の方を先に買いました。これは小学生向け。どんな言葉で、人がどんな風に感じるか、そして、それをどう言い換えたらいいのか、というのが事例ごとに載っていてわかりやすい。

そして、「えほん」の方は、人が傷つく、言い換えた方がいい言い言葉を「ちくちく言葉」、よい言葉を「ふわふわ言葉」として紹介。これがよくて、それぞれのタイプの言葉に「ふわふわ」と「ちくちく」と名付けがされたことで、長男にもストンと入ったようです。

ただ、いいと思わない髪型に「いいね」と言うのは嘘じゃないか、嘘はいいのか、とまだまだ腑に落ちないことはたくさんあるようです。でも、小さいうちから「言葉の言い方で世界が変わる」という視点を第三者から与えられた効果はかなり大きいと思われます。