砂の女

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)



読了。
本当は新幹線の中では他に読むものを用意しているのだけど、
もう、どうしようもなく続きが気になってしまって、結局
今週一気に読んでしまった。



最初、本の描写から自分の頭に描いた「女」の家と砂との関係に対して
まさかこんなんあるわけない、
また例によって文字から状況を想像するのが苦手な私の勝手な思い込みだべ、
と思っていたけれど、読み進めるうち、
どうもそんな構図で合っているらしい、と思って恐くなる。


そして、読んでる最中、自分の口の中や、体の周りに
じゃりっとした感覚が鮮明に感じられる辺り、ホラーです。


どんどん先が読みたくなってたまらなく辺り、推理小説です。


「男」には一応名前があるけれど、その名で呼ばれる事は一度もなく、
まして「女」に至っては名前もわからないまま。
この「男」と「女」という言葉はもちろん選ばれてこの言葉になっているのだろうけど、
もう、この小説にぴったり。


海外でもいろんな言語に翻訳されているらしいけれど、
その中で彼らがどのように表現されているのかが気になる。
あんまり、the man、the woman と言っている小説って見ない気が。
最初はそんな風に書いて、あとはずっと he、she で指す、とかそんな感じかしら。


推理小説みたい」と書きましたが、その意味では、
第1章の1での結論ばらしがある方がいいのか、ない方がよかったのかは、
人によって意見が割れそうだと思いました。


読んだ人にはぜひどう思うか聞きたいです。